気づけば、小説を書き始めて軽く8年が経過していた。*[日記]

お初にお目にかかる。
ブログ作者のれおなるどです。
現状、ぼちぼち作家を目指したい、とか思ってるヘタレ物書きである。
中途半端に色々やってきて、それでもこういうことをやり続けてれば、そこそこのものを書けているのだから、やっぱり積み重ねが偉大だと思うところ。
俺の人生で「やめなくてよかった」と思うのは、小説を書くこと、絵を描くこと、後失敗を続けることの3つである。
いや、最後の一つはおかしいとは理解しつつ、気配りが上手な人間ではないせいなのもある。
人が普段しないようなミスを平然とやっちゃう、モラルやルールがないと言われればまさにその通りなのだが、いかんせん私は社会を知らなさすぎて、空気を読めといわれても若干理解に時間がかかるからだ。
後、プライドが高いとか、そういう致命的な部分もあったりするわけで、と。




デジモンウェブをご存知だろうか。
今となってはバンダイの有名商品、デジモン
そのサイトであるデジモンウェブが開設したのは、もう8年ほど前のことだ。
当時私はデジモンアドベンチャーを見て、相当にのめりこんだ。
言っちゃ悪いが、私の住んでた場所は民放が二つしかない上に、アニメといえばポケモンドラえもんなんかの、ごくありふれた、というほどではないが、年齢的にそういうものからジャンプ系のほうが話題の中心になりそうな年齢としては、あまりにも見るものがなかった。
さて、小学生の終盤のころ、携帯ゲームといえばたまごっちがはじまり、少ししてデジタルモンスターが発売された頃だ。私はこれの第2期シリーズペンデュラムからはまった口だが、非常に楽しかった。
少ないお小遣いから捻出して、はじめて完全体を作り出したときなんぞ、嬉しくてしかたなかった。
そんな中、デジモンアドベンチャーが始まった。
なんと都心の放送から1クール以上遅れての放送開始だったりするが、ともかく、私は新たな娯楽にすっかり見せられてしまった。それが9月。
デジモンウェブが開設されたのは、それからやや経ってからである。




当初デジモンに関する新情報目当てだったが、掲示板スレッドに奇妙な書き込みを発見する。
二次創作作品群、いわゆるウェブ小説であった。
私はこれらがいたく気に入った。
なんせ私は教科書以外で、文のみで構成された本を知らなかった。
他にあったとしても、それはいわゆる伝記で、小説というジャンルの作品を知らなかった。
学校の図書館で小説があったかもしれないのだが、読んだ記憶はない。
少なくとも私の文庫ジャンルには「教科書」「伝記」「漫画」以上の分類はなかった。それは間違いない。
故に、漫画しか知らなかった私は、この小説群に非常にカルチャーショックを受けた。
同時に、自分もやってみたい、と感じて、その一ヶ月後ほどから、一年半かけて、書き続けた。
今現在をもっても、私が連載系で完全に完結させた話は、この最初の一本のみであると記憶している。
……ちゃんと書かないとなぁ。




出来に関しては、正直最悪だといっておこう。
何せ小説を知らない子供が漫画まがいなことを書くのだ。
基本はセリフの羅列・時折描写がほんのちょっという感じで、キャラクターはメインキャラが10人+パートナー10匹で合計20というとんでもない大所帯だった。
しかも何人かはキャラが被りがあったし、正直微妙だといってよかった。
それでも、その10人のキャラは以降俺のキャラクター創作の中で礎になったものを、多く抱えている。
このうち数名を紹介しておこう。




大空 涼(おおぞら りょう)・12歳
物語の主人公。活発系で、どんなつらい運命に直面しても確実に一歩前へと進む少年。
穢れを知らない頃の私だから書けた、不屈キャラ。
私は中学・高校時代とろくな目にあわなかったが、それでも少年系の熱血君を愛するのは、この時期にこのキャラを描いたからだろう。
面倒見もよく、家族想い、強いハートは何者にも負けない。
孤独の中でも仲間を信じることができる、と八方美人である。ただ、兄に対してコンプレックスがあったり、従姉に振り回されたりと、この当時の私の環境を取り込んでいたりするので、あながちそれだけではなかったりする。



大空 リューク・15歳
名前は漫画、ボンボンの講談社KC「海の大陸NOA」の主人公であるリュークからそのままパクったもの。
物語中盤から登場する兄貴分なのだが、一線ひいた視点から時折アドバイスはするものの、基本は自分より2〜3低い連中と共に歩んでいくという、年上キャラとしては珍しいスタンス。
これも私が当時年齢格差というものを十分に理解してないからであったと思われる。
このキャラが特筆すべきは、いわゆる「主人公サイドが持ちえていない情報を出すキャラ」という、物語の転換に相応しい役目を負っていることだ。
これがなければただの謎兄貴で終わったであろう。しかし、弟に負けず劣らずな部分も持ち合わせており、物語のクライマックスにおいて知略(小学生の考える程度だが)を用いて、実力では到底勝てない敵を撃破にも成功する。
「気合と根性」で戦うリョウに対して、彼は「気合と根性と知略」という、兄弟なんだが一歩進んだあたりが、兄らしさというものをだしていたと思う。



大山 ヒカリ・13歳
リョウに対する面倒見のいい姉なんだが、これといって彼女が姉っぽい振る舞いを描写した記憶がない。むしろ保護者、チーム全体のリーダー格としてのキャラである。
というのが、彼女が登場した時期、リョウはことごとく単独行動で、それまでのメンツは正直リーダー格と呼べる人格が不足していた。
そこをもって彼がいない間のまとめ役として出現したのが、おそらくこのヒカリである。
正直、本編で20話がはじまったころに登場し、描いた後公式ページ見たら同名キャラが主人公・太一の妹としててでて、驚いた。(後にリョウが携帯ゲームの主人公と同名なので更に驚いた。)
ところで私はいわゆる「お姉さん」と呼べる人が1人いる。その人は、言っちゃアレだが多分私の初恋の人じゃないかと思う。
心を許してたし、遊びにいくのが楽しかった。
でも、なかなか機会が恵まれず、そのまま大人になるにいたるが、今思うとこのヒカリはその人との生活を願って思い描いたキャラだと感じる。
つまり、私の生活の理想を反映したはじめてのキャラだというわけだ。

他にもケイ・シュウ・ニナ・コウ・アイリと、後名前を思い出せない二人をいれた合計10人が冒険する物語だった。
このとき、子供心ながら本編に負けたくない、と思って取り入れた手法がある。
本編は商売であるから、そういう事情も含めて8種類のデジモンがでている。正直、私の当時のアビリティではこの本編のクオリティを超えるためにはどうするか。結論からいくと、外見が同じデフォルト状態で、進化することで性質がかわっていく、という手法だ。
どの道、扱っていくうちに分類が面倒だし、そうすることでいわゆる「デジモンに愛称」という手段も使用できた。
名前も分かりやすいものが多く、読者の反応を見る限り、ある程度分別のつきやすい結果に落ち着いた。




小学5年にしては、ぶっつけ本番の割に色々考えたもので、そして気づけば私はそんなこんなで作品を連ねて今に至る。正直、昔より文の心得はできたが、正直この一作目を仕上げた意欲は、二度と沸くまい。
未開の地をザクザクと突き進む探検家のような心理が昔なら、今はさながらザブマリンの船長だ。
危険な場所、行動の方法もそれなりに把握している。掟も理解もあるし、そこそこのものを書ける。故に冒険をしなくなってしまった。
ここで言う「冒険」というのが、ようするにヘタであれなんであり、作品を出そうとする精神である。
今の私は対外の評価ばかりを気にしているし、だからこそ今まで表向き作品は公開されることもないまま、闇に消えていったものも数多く存在する。
このブログは、そうした自分と決別するためのものである。
そして自分の歩みを進めるのだ、今よりずっと高みに。


気づけば、小説を書き始めて軽く8年が経過していた。